共産主義・オカルト・反ワクチンに共通する反科学主義

オカルト・共産主義・反ワクチンの3つには「陰謀論が好き」以外にももう1つ特徴があるわ

オカルトと反ワクチンはそもそも反科学主義の塊みたいなものだからいいとして……

本来は反科学とは全く関係のないはずの共産主義も、その歴史を見るとやたらと反科学主義に傾倒しているわ

最も顕著だったのはポルポトね

カンボジアで政権を握ったポルポトは徹底的な反科学主義者だったわ。

原始共産主義というのだけど、とにかく科学的なものを排斥して畑を耕すことばかりに専念したの

色々と理由はあるけれど、簡単に言えば「人間は知恵があるから差別する」的な発想があったようね。

だから知恵を持った大人は徹底的に殺して、子供ばかりを重用した狂気の政策を取っていたわ

私も頭おかしいと思うわ

さて、ポルポトの話はこの辺にしておいて、本来反科学主義と何の関係もない共産主義がどうして反科学主義になりやすいか分かるかしら？

おそらく「簡単だから」だと思うわ

ええ、そうよ。

そしてこの簡単さこそが反ワクチン・共産主義・オカルトに傾倒しやすい人に共通する特徴だと私は思うわ。

現代文明は科学によって支えられているのは間違いないわ。

でも科学は曖昧なのよ。

正確に言えば「曖昧に見えてしまうことがある」と言った方が良いわね

いいえ、科学は明確よ。でもね、複雑性が理解できない人からすると、科学は極めて曖昧なものに見えてしまうの。

科学は多くの場合において断言が出来ないのよ

例えばカラスは何色かしら？

確かにカラスは黒いわ。でもこの世界には黒じゃないカラスは１匹も存在しないと断言できる？

私も黒くないカラスを見たことはないわ。でもそれは私が見たことがないというだけで、黒じゃないカラスがいないことの証明にはならないわよね？

この例は極端かも知れないけれど、多くの場合において科学は統計的な話しか出来ないわ。

例えばワクチンが人間に効果的かどうかと聞かれれば、科学は「これまでの統計的に優位な改善が見られる」というような回答しか出来ない

ワクチンを打っても死ぬ人がいる以上、「ワクチンは絶対に安全です！」と科学は言えないのよ。確率的には打った方が良いのは間違いないけれど「絶対」とか「100％」とは言えないの

でもその複雑さに耐えられない人間は「絶対」とか「100％」という言葉を求めるわ

そしてそんな人間のために用意されているのが……

反科学主義は科学じゃないから、簡単に「絶対」とか「100％」と言うの

だから複雑さに耐えられない人は、反科学に傾倒してしまう。もちろん「反科学」なんていう名前ではなく「反ワクチン」とか「オカルト」という名前になっているけどね

そして陰謀論も反科学に近い特徴を持っているわ

そもそもこの世界の問題のほとんどは複雑な原因が絡み合って発生しているわ

RPGのように「明確な悪の大王」が存在して、そいつが全部悪い！なんてことはそうそう無いの。

でも複雑さに耐えられない人は、そんな複雑な原因に耐えることが出来ない

だから陰謀論を言い始めるのよ。陰謀論は「全て〇〇が悪い！」という極めてシンプルな構造なの

言葉は悪くなるけど「バカでも理解できる構造」ってことね。

それじゃあ今回のまとめに入るわね

まず私は共産主義もオカルトも否定するつもりは無いわ。反ワクチンはちょっとあれだけど、共産主義とオカルトはそれ単体で悪いとは思わない

でも、それにハマる人間にやばい人が多すぎるのよ。

物事の複雑さに耐えられない人にとって、科学主義は極めて複雑すぎる仕組みよ。だからそういう人は「反科学」的な主義主張に染まりやすいと考えるわ

そして反科学的な思想は形こそ変えているものの時代の中でいつも存在していた。

戦後日本で言えば「共産主義」「オカルト」「反ワクチン」あたりがその典型ね。

ソ連の崩壊とともに「共産主義」という受け皿が弱体化し、次にオカルトという受け皿が台頭してきた。

でもオカルトはオウム真理教とノストラダムスが来なかったことで弱体化。その結果、2000年代初頭にはちょっと空白期が生まれるのだけど、その後はネットの普及で様々な反科学主義のグループが誕生したわ

最たる例は反ワクチンだけど、過度なネトウヨや過度なフェミニズムなんかもこれに該当するわね。

ようするにいつの時代にも複雑さに耐えられない人がいて、その人たちの受け皿になる団体が生まれるということよ

これが今回の私の自論よ。