スポンサーリンク
スポンサーリンク
ワックスの発明
リン
お人好しなものの、誰よりも熱心に働いた清一は川原商店で期待の若手になるわ。この頃、川原商店の代表の娘と結婚していることからも、川原商店からの期待が分かるわね
カレン
結婚おめでとー!!
リン
残念だけど清一の夫婦生活はかなり怪しいわ。そもそもこれだけの人物なのに奥さんに関しての記録がほとんどないし、記録の多くは奥さんに対しての苦言よ。清一が死ぬ間際に入院していた病院で看病していたのも秘書だったみたいだから、奥さんとの関係があまり良くなかったのではないかと思うわ
カレン
何で……
リン
詳しい記録は残っていないけど、まず経済格差があったみたいね。奥さんは川原商店のご令嬢であったのに対して、清一は家が貧乏で養子に出された人物よ。彼が結婚した際には「逆玉」と言われていたことからも、それが禍根の1つだったのは間違いなさそうね。
リン
もう1つはね……
リン
宗教よ
カレン
またそれ!?
リン
この点については清一の問題が大きいと思うわ。信仰をすることについてはともかく、信仰のために置き手紙1枚で家を飛び出したりしているのよ。いくらなんでも一般常識からかけ離れ過ぎよね……
カレン
さすがに問題が有りすぎる……
リン
さて、川原商店の娘と結婚をし、いよいよ清一は頭角を現すわ。
リン
時代はまさに太平洋戦争真っ只中。川原商店の主力商品であった「蝋」も供給不足になり始めたの。
リン
清一は石鹸を作るときのカスに注目したわ。これはゴミとして処分されていたのだけど、そのゴミを加工して代用の蝋を作り上げたの。
リン
原料はゴミだから、売上がほぼそのまま利益になる画期的な蝋だったわ。この蝋は見事に大ヒットをして、清一は……
カレン
お金持ちになったんだね!!
リン
いえ、残念だけどなっていないわ。ボロ儲け出来る状況だったのに「そこそこの利益でいい」と言って断ってしまったのよ。
カレン
えええ!! なんで!?
リン
信仰心よ
カレン
もう全部それに行き着くんだね……
みんなが儲ける商売を
リン
ところでカレン。ここで1つ妙なことに気が付かないかしら?
カレン
妙なこと?
リン
さっきチラッと言ったけど、このときは太平洋戦争の真っ只中よ。まだ若かった清一はどうして戦争に行っていないのかしら?
カレン
そう言えば……
リン
人間万事塞翁が馬
リン
清一はまさにこの諺を地で行く人間だったのよ
カレン
どういうこと?
リン
清一は何度も死の淵を彷徨う病気になったため、信仰に目覚めたのだけど、この「死の淵を彷徨う病気」が清一にとっては幸運だったわ。
リン
病気で体が弱いから兵士の基準を満たせなかったのよ
カレン
まさに人間万事塞翁が馬だね
人間万事塞翁が馬
ある日、馬が逃げ出してしまい皆が悲しんだ。
しかしその馬はなぜか優秀な馬と一緒に帰ってきた。
みなは喜んだがその馬にある男が乗ると、落馬して足を折ってしまった。
みなは悲しんだが、すぐに戦争が始まり、足を折った男は兵役を免れた
→何が幸いするか分からないことの例え。
リン
そんなわけで兵役を免れた清一は、戦争中の物資不足に目をつけて、様々な商品を開発したわ。その中でも「高度ワックス」の発明は清一の人生に大きな影響を与えたわ。
カレン
高度ワックス?
リン
さっき登場した「ゴミから作ったワックス」の進化版よ。あれは所詮代用品だったけど、この高度ワックスは本物以上の性能があったの。
リン
この商品は再び大ヒット。見事に清一は……
カレン
お金持ちになったんだね!
リン
いえ、またしても利益を取らなかったわ。
カレン
だよねー
リン
商品の質は良かったから、川原商店が普通に販売すれば間違いなく大きな利益になったわ。でも清一はその方法を取らなかったの
カレン
どうして?
リン
信仰心よ
カレン
やっぱりそうだよねー
リン
清一はこう考えたの。
リン
川原商店が販売をすれば莫大な利益が出るのは間違いない。でもその方法ではこの商品が普及するまで時間がかかる。その間、ワックスがなくて困っている人はどうすればいいんだ……そうだ、他の企業に販売を手伝って貰おう!とね
リン
清一は全国の会社にワックスを卸して販売を手伝って貰ったわ。
リン
高度ワックスが買えてお客様は嬉しい、それを販売している会社も利益が出て嬉しい、川原商店も儲かって嬉しい、清一もみんなが喜んでくれて嬉しい
リン
自分が少し損をすることでみんなが幸せになる方法を清一は選んだのよ。そしてこの方法こそが、後にダスキンの礎を築くことになるわ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
一号店は箕輪じゃなくて箕面ですよ