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ミスタードーナツとダンキンドーナツの明暗
リン
ダスキンの本質が清掃ではなくフランチャイズにあるということが分かれば、どうしてダスキンがミスタードーナツを運営しているかということも見えてくるわね
カレン
そっか! 飲食業と清掃業では全く違うように見えるけど、どっちも「フランチャイズ」という共通点で結びついているんだね!
リン
その通り。
カレン
一見すると無縁の企業だけど、こうしてきちんとつながっているんだね!
リン
それじゃあ最後にダスキンの成功の歴史を辿りましょう
リン
エヴァンス博士を覚えているかしら?
カレン
ダスキンとアメリカの会社をつなげた人だっけ?
リン
そうよ。実はミスタードーナツとダスキンを結びつけたのも、このエヴァンス博士なの
カレン
エヴァンス博士有能過ぎでは?
リン
ただね、最初にダスキンに接触したのはダンキンドーナツというお店なの。知っているかしら?
カレン
しらなーい
リン
ダンキンドーナツは当時アメリカで最大のドーナツ会社よ。日本でも1998年まで営業していたから、私達より上の世代の人は知っているかも知れないわね
リン
ダンキンドーナツは日本進出のため、フランチャイズ経営で成功しているダスキンに目をつけたの。でも清一はこれを断ったわ
カレン
どうして断ったの?
リン
理由は2つ。1つ目は単純に飲食業界未経験だったから進出したくなかった。2つ目はアメリカ第2位のドーナツ会社であるミスタードーナツがエヴァンス博士と懇意だったの。だからエヴァンス博士を裏切りたくない清一は仮にドーナツに参入するにしてもミスタードーナツにすると決めていたそうよ
カレン
凄く義理人情の人なんだね!
リン
だけどダンキンドーナツはそんなことで諦めないわ。結局西武グループと提携して日本進出を果たすことになるの
リン
これに焦ったのは業界2位のミスタードーナツよ。なんとしても日本進出を果たすために、日本での提携先を紹介してくれるようエヴァンス博士を介して清一に頼んだのよ
リン
清一は菓子ということで「不二家」「洋菓子のヒロタ」「タカラブネ(現スイートガーデン)」などに打診をしたわ。でもどこの企業もロイヤリティを払うことを嫌がって断ったの
リン
そこで清一はダスキンでミスタードーナツ事業に乗り出すことにしたの。飲食業界は未経験だけど、フランチャイズには自信がある。
リン
でも、普通に考えればミスタードーナツに勝ち目は無かったわ
カレン
え、どうして?
リン
ダスキンはそれなりの企業に成長はしていたけれど、それでも所詮は戦後生まれの歴史の浅い企業よ。一方で西武は明治から続く超巨大企業。鉄道・ホテル・スーパー・百貨店・リゾートなど多方面に進出している名門なの。資本力の差は圧倒的過ぎたわ。
リン
でも、今日本に残っているのはミスタードーナツ。ダンキンドーナツは撤退したわ。
カレン
何で西武はダスキンに勝てなかったの? 業界1位のダンキンドーナツと日本でも有数の名門企業の西武が手を組んだのに……
リン
フランチャイズに対しての認識の差が明暗を分けたのよ。
リン
清一は箕面にオープンした一号店が成功すると、その利益で人材教育センターを開設したわ。フード業界としては日本初のことだったの。
リン
フランチャイズはオープンしたら、あとはオーナーに任せきりな会社が多い中で、清一はフランチャイズの本質を見失わなかったわ。オーナーさんと一緒に成功するという理念があったからこそ、オーナーの育成に力を注いだの。
リン
今の日本のフランチャイズ店がどのお店でも同じようにハイクオリティなサービスを提供しているのは、この清一の判断によるところが大きかったと私は思うわ。
リン
資本力では圧倒していた西武グループは、人材育成でダスキンに遅れをとってしまったのよ。
リン
フランチャイズが普及した現代では、加盟店手数料だけ取って置きながら何もサポートをしてくれないタイプの業態も増えてきたわ。それならまだしも、フランチャイズオーナーを霧払いかのように使う悪徳な業態も決して珍しくはないの
リン
確かにその方法は短いスパンで見れば儲かるかもしれない。けど、多くの人から反感を買って、いずれは滅んでしまう運命なのよ
リン
今こそダスキンのようにフランチャイズオーナーを一心同体に捉え、自分が損をしてでも彼らを生かす企業が必要なのかも知れないわね
カレン
鈴木社長とダスキンのお陰で今、私たちはハイクオリティーなサービスを低価格で受けることが出来ているんだね!
リン
その通りよ。このドーナツ1つを取っても色んな人の努力があってこそのものなの。そう考えるとより一層このドーナツを美味しく食べられると思わない?
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一号店は箕輪じゃなくて箕面ですよ